「40万円では難しい」と言われた — 浮気の相談にかかるお金を調べた
浮気について誰かに相談しようとしたとき、最初にぶつかるのがお金の話です。
そして、この話はあまり書かれていません。書く動機がある人が少ないからだと思います。
「予算を伝えると門前払い」
知恵袋の質問303件を数えたとき、費用のことを書いている質問が35件ありました。全体の11.6%です。
なかでも、これは読んでいて手が止まりました。
「予算は40万円ほどです。子供もいますので、探偵にかけられる費用には限りがあります。都内や横浜などの探偵社に問い合わせてみたのですが、私の予算を伝えると門前払いを食らってしまっています。100から200万円位はないと浮気調査は難しいとの事でした。」
40万円を用意できる人が、断られている。
もうひとつ、金額そのものより、そこに至る時間の方が伝わってくる投稿がありました。
「高い。本当に高い(笑)。ホームページを見ては閉じて、料金表を見ては閉じて。『いやいや、簡単には頼めないや…。』そんなことを何度も繰り返していました」
見ては閉じ、見ては閉じ。この繰り返しの間、その人はずっと一人で抱えたままです。
弁護士の相談料は、はっきりしている
調べていて分かったのは、業種によって「料金の見えやすさ」がまるで違うということでした。
弁護士は明朗です。東京弁護士会の法律相談センターは、相談料を30分5,500円(税込)、延長は15分ごとに2,750円と公示しています。離婚・親族(婚姻外男女関係)の相談も同じ料金です(東京弁護士会)。
高いか安いかは人によりますが、行く前に分かるというのは大きい。30分5,500円と知っていれば、行くかどうかを自分で決められます。
探偵の料金は、調べても分からない
一方、探偵の調査費用は、調べても「これくらい」という数字にたどり着けませんでした。料金体系が業者ごとに違い、時間・人数・機材で積み上がるため、公示のしようがないという事情はあると思います。
ただ、それが利用者側にとって何を意味するかは、公的機関の注意喚起に表れています。
国民生活センターは、探偵業者を選ぶ際の注意点として、複数の事業者から見積もりを取り、調査方法や料金の内訳、キャンセル料について説明を受けて比較検討することを挙げています。解約料が高額だという相談も、実際に寄せられています(国民生活センター 消費者トラブルFAQ)。
「複数から見積もりを取って比べてください」と公的機関が言うのは、裏を返せば、そうしないと妥当な金額が分からない領域だということです。
浮気が発覚した直後の、いちばん冷静でいられない時期に、複数の探偵社に問い合わせて見積もりを比較する。それができる人は、そう多くないと思います。
何が起きているのか
並べてみると、こうなっていました。
| 費用 | |
|---|---|
| 匿名の掲示板に書く | 0円 |
| 弁護士に相談する | 30分5,500円(公示されている) |
| 探偵に調査を頼む | 問い合わせるまで分からない |
0円の次が5,500円で、その間に何もありません。
しかも0円の側には、別のコストがあります。前の記事に書いたとおり、匿名で相談しても返ってくる言葉はだいたい決まっていて、「別れなよ」に着地します。無料ですが、揺れている気持ちをそのまま置いておける場所ではない。
費用の問題は、それ自体が悩みというより、他の悩みを解決させないでいる理由なのだと思います。決められないのも、眠れないのも、それを相談する先に手が届かないから続いてしまう。
困っている場合の窓口
お金に関して実際にトラブルになっている場合は、**消費者ホットライン「188」**に電話すると、最寄りの消費生活センターにつながります。契約後の解約料についても、消費者契約法の規定で、事業者に生じる平均的な損害額を超える部分は無効となる可能性があると案内されています。
高額な解約料を請求された、勧誘の仕方に問題があった。そういう状況なら、一人で判断せずここに相談してください。
- 消費者ホットライン 188(いやや!)
念のため書いておくと、この記事は探偵や弁護士に頼むなという話ではありません。証拠が必要な場面、法的な判断が必要な場面は実際にあって、そのときに頼れるのは専門家だけです。
ただ、まだそこまで決まっていない段階の人が、料金表を見ては閉じるのを繰り返しているうちに、何ヶ月も一人でいることになる。その時間のことを、あまり誰も書いていないと思ったので書きました。